朧月夜 [音楽の雑談]
この春から刊行されている『週刊 日本の歳時記』。
日本の季節感を表した美しい日本語がちりばめられていて、
この手の週刊ものに初めて夢中になっています。
その中の「朧月」の写真にとてもひかれました。
それは写真なのに、まるで日本画のようです。
昼間の「霞(かすみ)」に対して、夜の「朧(おぼろ)」。
ちょっとくすんだ風景こそ、春。
そんな春を端的に表した歌「朧月夜」は、とても好きな歌です。
小学校のときに習ったその歌ですが、
子供のころから好きだったと思います。
今でも、その歌詞がすぐに浮かびます。
菜の花を見ると、口ずさみたくなります。
今と違って当時の音楽の教科書には、はやり歌などなく、
いってみれば古めかし歌が多く、
どうも好きになれないものもありましたが、
この「朧月夜」(そして「花」「夏は来ぬ」も!)は、とても好きでした。
今あらためて詩を見ると、本当に美しい日本語です。
若いころは好きでなかった文語定型詩に、今とても魅力を感じる所以でもあります。
菜の花畠に、入日薄れ、
見わたす山の端(は)、霞ふかし。
春風そよふく、空を見れば、
夕月かかりて、にほひ淡し。
里わの火影(ほかげ)も、森の色も、
田中の小路をたどる人も、
蛙(かはづ)のなくねも、かねの音も、
さながら霞める朧月夜。
こんばんは。
霞と朧の使い方を始めて知りました。時間帯の違いだったとは!
夜桜の花見で「春霞じゃなー」「こういうのをおぼろ月夜っちゅーんじゃろー」などと会話してました(笑)
by ヒロノミンV (2008-05-01 23:06)
霞も朧も同じ状態なのに、時間帯で呼び方が違うところに、日本人の美観があらわれていると思います。
朧月は、その情景も、語感も、とても好きです。
by のすけの母 (2008-05-02 22:45)
>この手の週刊もの
私も以前に司馬遼太郎の「街道をゆく」の週間ものを買い、
二冊目で頓挫しました。
でも、ご紹介のは良さそうですね。
>菜の花畠に 入日薄れ
条件反射的にメロディが浮かんできます。
文語は日本人のリズム?
ところで、ようやく「西行花伝」を読み終えました。
豊かな日本語の世界に感動しました。
by e-g-g (2008-05-03 21:59)
この手の週刊ものは、数が多いですね!!
創刊号は安かったりするので、ついCMにも目がいきます。
ただ、買ったのはこれが初めてです。
今も毎週楽しみにしています。
値段は安くはないですが……。
『西行花伝』ですか……私は1年前に読んだのでしたっけ。
しばらく他の本が読めないくらい圧倒されたものでした。
by のすけの母 (2008-05-04 19:50)