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『日本語は天才である/柳瀬尚紀』 [(そして本も)]

以前、Lionbassさんのところで紹介されていた『日本語は天才である』を読んでみました。
ここのところ、日本語に関する本では、ハズレばかりひいていたので、ダメもとだったのですが、
これはなかなか読み応えのある本でした。

さすが、常日頃翻訳を通してよりよい日本語を吟味している方だけあります。
特に、掛詞的なものをいかに日本語に訳すか。
また、詩の押韻をいかに日本語に訳すか。
単に言葉に精通しているだけでは解決できない、その人の生きてきた教養がにじみ出る要ですね。

押韻といえば、こと漢詩に関しては(←ダジャレ!?)、
韻をふまえて訳すというのを見たことがないような気がします。
まあ、これは漢詩(漢文)の特殊事情にもよるのでしょう。
漢字だけの白文の最後の文字を〝見て〟、韻を感じ、
書き下して〝日本語〟としてしまい、それをふまえて訳すので、
韻と日本語訳は、相容れません。

あたりまえのことですが、韻を味わいながら内容も、と思えば、
その国の言葉で読むしかないのでしょう。
だから、この本の筆者は、すばらしいと思いました。
そして、ご自分の尽力を、「日本語が天才だから」と言ってしまえるところが、ますますもってすばらしいのです。

ユーモアも随所にちりばめられたこの本、久々にいいものに出会えて嬉しかったです。

日本語は天才である (新潮文庫)

日本語は天才である (新潮文庫)

  • 作者: 柳瀬 尚紀
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/09/29
  • メディア: 文庫


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Lionbass

こんばんは。
この本、確かに面白いところが多いとは思いましたが、ちょっと「自画自賛?」的な部分が目につくような気がしました。
著者は「自画自賛」に値する苦労をされているとは思いますが…。
でも、勉強になる本であることは確かだと思いました。
トラックバックさせてください。m(_ _)m
by Lionbass (2009-12-19 21:55) 

のすけの母

そうですね、確かに「自画自賛」的なところもないではなかったですが、
それ以上に、英語の音韻などをいかに日本語に訳すかの腐心具合に、思わずひかれて読み進めました。
最近よくあるカル~~い日本語関係の本に比べれば、おもしろかったです。
by のすけの母 (2009-12-20 11:19) 

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