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初めて生で聴いたラヴェル(「優雅で感傷的なワルツ」「左手のためのピアノ協奏曲」 [ラヴェル]

N響前半のプログラムはラヴェルでした。
N響としては、「悲愴」がメインだったのでしょうが、
私は、ラヴェル、特に「左手のためのピアノ協奏曲」が楽しみでした。

まず、「優雅で感傷的なワルツ」です。
おそらく日本で一番のオケ、N響。
その手にかかれば、ある水準以上の演奏は期待できるのだと思います。
ただ、この「優雅で感傷的なワルツ」は、無難でしたが、私はもっと期待していました。
特に、「Ⅱとてもゆっくりと」は、この曲の中で一番好きなのですが、
もっともっとメランコリックに奏でてほしかったのです。

ただ、もしかしたら、
W杯の強豪国が、予選から上げていかずに、決勝トーナメントに照準を合わすように、
今回、「左手のためのピアノ協奏曲」にピークを持っていったのかなぁとも思えました。
それくらい、「左手~」がよかったです!!

左手のためのピアノ協奏曲」は、本当に左手のみなのか!?という疑問を解決するのも目的でした。CDで聴くと、「両手ちゃうん?」と思ってしまうので。

これも低弦の響きから入ります(←こういうの、大好きです♪)
今日は上から見下ろしていたので、右の低音からだんだん左に音が移っていくのが、視覚的にもとらえられました。
だんだん音が高まって、ピアノのソロが始まります。
協奏曲とはいっても、ピアノソロが多いです。
デュトワが、指揮棒を振らずにスコアをめくっているのが見えました。

そして、見ましたよ、全部左手!!
ピアノの端から端まで左手です!!
とても難しい曲と思うのですが、
ピアノもよく、管弦楽との調和もとてもよく、
あらためて好きになりました。
(また「生で聴くと大好きになるの法則」!!)

やはり、「フランスものはフランス人に」という私の偏見がツボにはまった感じです。
ジャン・フィリップ・コラール、ブラボーです。
(CD買っちゃいましたよ♪)

それまでは、「ピアノ協奏曲ト長調」の方が断然好きでしたが、
今は「左手~」も勝るとも劣らないくらい好きです!!

生で聴けて本当によかったです。
定演はアンコールがないのですよね、それが残念でした。
ジャン・フィリップ・コラールの右手も聴きたかったです。
ラヴェルのピアノ曲を、1曲艶やかに弾いてほしかったです。

(3月には、「ピアノ協奏曲ト長調」も聴けます)

ラヴェル:ピアノ協奏曲

ラヴェル:ピアノ協奏曲

  • アーティスト: コラール(ジャン=フィリップ), フランス国立管弦楽団, マゼール(ロリン), ラヴェル
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2006/12/20
  • メディア: CD



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コメント 12

 生で聴いて、大好きになる。

 うんうん、すっごい分かります、音楽には、本当にそういう面がありますよね。
 私、レコードで、余り好きになれない方でも、とりあえず、ライヴを聴くまでは、判断は保留にしておこうと、思うときもあります。勿論、ダメなものはダメ、と思ってしまうときもあるのですが……。
 パリ管の団員の方が、以前インタビューで、「ジャポネーで言うところの、演歌の
こぶしみたいな、フランスで育った者にしか分からない、独特の節回しが、ラヴェルやドビュッシーにはあるんだよ」と仰っていました。
 そうなのかもな、フランスだけに吹く風も、あるのかも知れないな、なんて思っています。

 とても豊かな時間だったのですね。
 母さまが、うらやましくなりました(いいなあいいなあいいなあいいなあ)。
 白状すると、私も、「絶対に右手使ってるやろが~」なんて、考えていました(笑)。
by (2007-01-22 00:23) 

ポッチ

「両手ちゃうん?」の疑問解決おめでとうございます(笑)。でも、たしかに何も知らずに音だけ聴いたら、左手だけで弾いてるとは思いませんよねー。
アンコールでラヴェルのピアノ作品をやってくれたら、素敵だったでしょうね。次回は「ピアノ協奏曲」ですか。「生で聴いたらますます大好きになるの法則」が当てはまりますよーに♪
by ポッチ (2007-01-22 13:03) 

のすけの母

レモンさん、こんにちは。

生の力には、言葉にできない熱があります。
演奏の力量を超えて、訴えかけるものがあるのだと思います。
その熱の波をすっかりかぶってしまいました。

>フランスで育った者にしか分からない、独特の節回しが、ラヴェルやドビュッシーにはあるんだよ

絶対にあると信じています!!
3月に聴く「ピアノ協奏曲ト長調」は、オケこそ地元の名フィルですが、指揮兼ピアノが、フレデリック・シャスランです。
パリの香りを運んできてくれるのを、今から楽しみにしております。
by のすけの母 (2007-01-22 16:27) 

のすけの母

ポッチさん、本当に左手だけでしたよ!!
ピアノの右端も左手で!!
思わず右手が出るんじゃないかなぁ、という感じでした。

そして、アンコールがなかったのが本当に残念でした。
彼のピアノ(できたらラヴェル♪)を、もっともっと聴きたかったです。

3月に「ピアノ協奏曲ト長調」を生で聴いたら、もともと好きなのに、もっともっと好きなるに決まってますよ。
by のすけの母 (2007-01-22 16:42) 

e-g-g

 良いコンサートのご様子、ヨカッタですね。「悲愴」も「左手・・・」も生では未聴です。悲愴のppppppは実際には聴こえるのでしょうか?
 生は、やはり全身で聴きますから訴えかけて来るものが多いですよね。再生音楽はうっかりすると耳だけで済んでしまいますし。
 ともかく、生の舞台の始まる瞬間のゾクゾク感はたまりません。歌舞伎も好きでたまに見ますが、幕の開くあの瞬間、オーケストラののチューニングが済んだあとの静寂、やはり堪えられませんね。

 コラール、かつての美しい青年も、もう何歳くらいになったのでしょう?
by e-g-g (2007-01-22 20:04) 

coco

のすけの母さん、こんばんは(^^♪
ラヴェルというだけでウットリなんですが、「左手のためのピアノ協奏曲」は聴いたことがなくて(>_<)
でも先日NHKBShiで舘野泉さんが脳出血のためマヒが少し残り、今は左手だけのピアノ演奏をされているドキュメントを観て左手だけのピアノ演奏というのに大変興味を持ちました。おっしゃるとおり、「これって両手じゃないの?」というくらい流石プロ!障害など感じさせない演奏でした。ただ、そのときはラヴェルは演奏されてないのですが。でもきっとそういうのって実際生で見ないと実感わかない気もします。視覚からの情報で納得しながら聴きたいものです。
2月4日、サントリーホールでラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」が東 誠三さんが演奏されるそうです。東京なので行けなくてとても残念です(T_T)
by coco (2007-01-22 20:13) 

のすけの母

EGUCHIさん、こんばんは。
生だと、下世話な話ですが、払った分だけしっかり見聞きしないと!と思ったりもします。
耳の感覚を鋭敏にし、どんな音も聞き逃すまい!と思ってのぞみます。

デュトワが腕を挙げ、最初の音が出るまでの緊迫した静寂、
最後の音がやみ、デュトワが腕を下げるまでの息詰る間。
これを味わのも、生の醍醐味だと思います。
それだから、ppppppも聞えるのです。

コラールは、ステキなおじ様でした。
by のすけの母 (2007-01-22 22:53) 

のすけの母

COCOさん、こんばんは。
私も「左手のためのピアノ協奏曲」を知ったのは、このブログを始めてからで、えらっそうなことは何一つ言えません。
ただ、今では大好きな曲の一つになっています!!

舘野泉さんの番組は、私も見ました。
左手だけであんなに弾けてしまうのは、スゴイですよね。
「左手のためのピアノ協奏曲」も、左手だけだからという以前に、非常に難しいと思われますが、それを片手で弾きこなすことに、心が動かされました。

サントリーホールですか……何度書いてますが、私も1度でいいから行ってみたいです。
by のすけの母 (2007-01-22 23:04) 

大須賀

のすけの母さん、はじめまして。
大須賀と申します。
コメントありがとうございました。

< ジャン・フィリップ・コラール、ブラボーです。
< 今は「左手~」も勝るとも劣らないくらい好きです!!
共に、まったく同感です。

ちなみに、18 日の講演では、アンコールでスクリャービンのプレリュードという小品(美しい曲です)を弾いてくれました。
こちらも左手だけを使って演奏する曲なのですが、最後の 1 音だけを右手でポロンと弾くキザな演出で、それがまたフランスの伊達男という感じで良かったです。
by 大須賀 (2007-01-22 23:32) 

のすけの母

大須賀さん、わざわざこちらまでおいでいただき、ありがとうございます。

そちらでは、アンコールがあったのですか!!
いいなぁ。
なんで、名古屋ではなかったのでしょうか……。
拍手が少なかったのかなぁ。
拍手が続き、コラールも何度も出てきてくれたので、とても期待したのですが。
休憩中にあっさりピアノが片付けられ、「あ~あ」という気持ちでした。

>最後の 1 音だけを右手でポロンと弾くキザな演出で、それがまたフランスの伊達男という感じ

見たかったです!!
by のすけの母 (2007-01-23 12:47) 

coco

こんばんは(^^♪
とても興味あったのでクリスチャン・ツィメルマンで聴きました(^^♪本当『これ両手ちゃうん??』です。CDではわからない。本当に凄いテクニックを要するのではないのでしょうか?ビックリです。やっぱりこれは視覚情報が必要ですね!!納得です。
イタリアは随分前に1度だけ行きました。勿論国の魅力もなんですが井上道義さんがミラノスカラ座で振ったとかっていうのがあって・・・スカラ座を見たときは感動...きわめて単純なんですが。当時ボッティチェリに興味があり、解説の人に教えていただいた辻邦生さんの『春の戴冠』もそのご縁で読み感動。他も見ましたが、忙しくて...個人的に行かないと駄目ですね。でもイタリアの街自体がもう芸術品のようですね。。。一緒に行った友人は魅せられすぎて住んじゃい今は音信普通ですが、風のうわさではイタリアンと同居??しかし本当に魅力的な国の一つです。トレビの泉でコインを投げたので又行けると信じています(古い??)長くなって_(_^_)_
by coco (2007-01-25 21:29) 

のすけの母

COCOさん、早速聴かれたんですね♪
私も初めてCDで聴いたとき、「うっそぉ~」と思ったので、KAWAIへ行って、スコアを立ち読みしたんです。
それでも、信じられなくて……「百聞は一見に如かず」でした。

イタリア!!
本当にうらやましいです。私は、イタリア語の歌うような言葉に見せられて、NHKラジオで少々かじり、そうしたらますます行きたくなった覚えがあります。スカラ座も行かれたんですね!!いいなぁ。

ヨーロッパって、歴史と同居していますよね。ああいうのって、いいなぁと思うのです。なんでもかんでもアメリカの消費経済にならって、古いものを切り捨てていくのは、実にもったいないし、危ういと思うのです。
by のすけの母 (2007-01-25 22:26) 

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