京の雅(みやび) [京都]
2日(金)の「美の壺」は、秋のスペシャル「京の雅(みやび)」でした。
1200年の伝統がおりなす雅な世界。
京都ではぐまれた美意識。
都の洗練された情緒豊かな美しさ。
織れない模様はないと言われた西陣織。
繊細な器に盛られた季節感あふれる懐石料理。
生活の知恵がかくされた庭の機能美。
京都の老舗旅館。
川端康成がこよなく愛した部屋。
特に坪庭。
町家の中に突如あらわれる小さな庭、坪庭。
光と風を通すために作られたらしい。
だから、光と影で時の移ろいを表現するのだとか。
西陣織には、緞子(どんす)・唐織り・お召し織り・ビロード織り・綴織りなど様々。
まさに、織れない模様はない西陣織。
そして、同じ図案を同じ人間が織っても、毎回違ったものができるという、人間らしい魅力。
香には、匂い袋・印香・練り香・文香などなど。
日本の香り文化は、京都で発祥し発展したんだとか。
古典の作品を読んでも、着物に香をたきしめるというのは、よく出てきます。
安いものだけれど、私もお香は大好きで、いろいろ試します。
気分転換にもなります。
京焼きというのは、初めて知りました。
桃山時代に登場し、貴族から庶民まで広く愛用されたそうです。
ただ、これは余り趣味ではありません。
続いて、和花。
日本の野山を彩ってきた野の花です。
西洋の花とは生け方が違うんだそうです。
たとえば一輪挿し。
余分な枝葉を取り除きます。
一輪の花を美しく際だたせるためです。
西洋のフラワーアレンジメントが、花を重ねていく足し算なら、
和花は、引き算の美学ということです。
そして、花器に生けた時に、自然に生えているような形に見せるのが大事なんだそうです。
そういう美学にとても惹かれます。
和の美意識!!
私も磨いていきたいです。
最後は、京懐石。
向附け(前菜)・煮物・焼き物・八寸・椀盛りなど。
その中でも、椀盛りは京の雅な感性の集大成なんだそうです。
器やふたの裏の模様も味わうのだとか。
そして、まず汁をすするのが作法。
これは勉強になりました。
雅というのは、それが欠けたら生きていけないというものではありません。
それでも、雅な生き方を追求していくことで、豊かな人生をおくることができそうです。
ブランドという価値は、自分で考えたり磨いたりするものではなく、それを持つだけで完結します。
でも、美意識は違います。
自分の感性を磨き、鍛え、そして自分で考えていかなければなりません。
ブランドのバッグには手が出ませんが(←要はお金がない!!)、
美意識なら自分次第というところがあるので、
そういうものにこだわる生き方が理想です。
おはようございます
日本の美は引き算の美。
まさにそうですね。
それと、構成の原理として、
左右対称のシンメトリーが少ないというのも
特長のひとつです。
(シンメトリーは、実は左右対称だけではないのですが
ここで書き出すと長くなるので、またあらためて)
およそ、ヨーロッパ、中国の造形は
この「左右対称」が基本となっています。
フランスの宮殿の庭園、中国の紫禁城等々、
左右対称の典型。
対して日本では、左右対称はあまり好まれません。
もちろん、中国から輸入された寺院建築は別です。
唐招提寺など、あれは完璧なヨーロッパ型ですね。
花、庭、絵画、歌、和菓子に料理、
建築、家の造り、着物、、、
それとたぶん音楽も、
この左右非対称を気にかけていると、
また、違ったものも見えてくるかもしれません。
高速道路のサービスエリアに並んでいる
土産物の箱の意匠などを見ても、
この流儀は見事に息づいています。
by e-g-g (2007-11-05 12:31)
追伸です。
雅といえば「西行花伝」ですね。
いま、やっと五帖です。
by e-g-g (2007-11-06 01:25)
シンメトリーが少ない……まさしくそうですね。
一輪挿しのところを見ると、それが顕著です。
やはり自然を旨とするからでしょうか。
あるがままに切り取って、それを美とするならば、自然物がそんなにシンメトリーであるわけないですから、自ずと非対称になるんでしょうね。
西洋のシンメトリーは、人工美ということでしょうか。
それとも、西洋人の美学なんでしょうか。
それから、『西行花伝』詠まれているんですね。
私は今『枕草子』に凝っています。
by のすけの母 (2007-11-07 16:54)
こんにちは(^^)何と書き込みをしようか もたもたしているうちに、
どんどんお話が進んでいます(笑)
和の美意識、私も少しずつ学びたいと思います。
京都は憧れです。旅行でしか行ったことがないので。
日本の清楚な美は古都で洗練され、豊かになり、
町屋、京菓子、懐石、西陣織などになったんですね。
日本の美意識の中に機能美も自然に含まれていて、
それはきっと凄いことなんでしょうね。
よく 良いデザインは機能的でもある と言われますから。
西洋人の中でも フランスの人は 日本人が大事にする 間 とか
静寂 とか、そういうものを すんなり受け止めてくれますね。
小津監督の映画も好まれるし。感覚が似てるんでしょうか。
東洋風が好き というより、日本が好き という人が よくいるように思います。
by JF (2007-11-15 14:06)
絵とか音楽とかは、断然西洋のものが好きなのですが、
富士山と桜も同じくらい好きな私の体には、脈々と日本人の血が流れています。
そんな和の心のいきつくところには、京の雅があるのではないかと思っています。
京都の和心は、本当に機能美ですね。
京都は、若いころは〝京都ブーム〟なんかもあって、ブーム嫌いの私は距離をおいていましたが、今は行けるものなら何度でも足を運びたいと思っています。
by のすけの母 (2007-11-15 22:37)